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HDS-R/MMSE
- 最もよく用いられる認知症のスクリーニング検査です。
- ともに30点満点で、MMSEは23点以下、HDS-Rは20点以下を認知症域とします。
- 記銘力、見当識、作業記憶などを簡単な質問で評価します。
- 所要時間は各15分程度です。
- MMSEには描画や文章記述が含まれ、空間把握能力にも焦点が当てられています。HDS-Rは全て口頭で試験が実施でき、記銘力の評価に力点が置かれています。
ウエクスラー記憶検査
- 世界的に最も使用されている記憶力の検査です。
- WMS-Rとも表記します。
- 対象年齢は16歳から74歳です。
- 所要時間は40~60分程度です。
- 年齢ごとに基準点が設定されています。
- 100±15点が平均です。
- 評価指標は、一般的記憶(言語性、視覚性)、注意集中力、遅延再生の3つに分類されます。さらに下位項目は13個に分けられます。
Alzheimer’s Disease Assessment Scale
- アルツハイマー型認知症の病状評価をする検査です。
- ADASと表記します。
- 所要時間は40分程度です。
- 70点満点で、得点が高いと認知機能が低いとなります。
- 認知機能に関しては、「記憶」「言語」「行動」の3つの領域における計11項目を評価します。
- 認知症の進行具合を評価したり投薬の効果を確かめたりする検査です。
トレイルメイキングテスト

- トレイルメイキングテストは、高次の注意機能を反映する心理検査です。
- テストでは、数字と文字を順に辿っていきます。そのため、数字や文字の認識・精神的柔軟性・注意持続性・視覚的探索力・視覚運動性・手の運動と視覚の協調性など様々な能力が必要となります。
- partAとpartBに分かれます。Aは単純に1から25までの数字を辿っていきます。注意力が求められます。Bは、数字とひらがなが混在していて、1→あ→2のように辿っていきます。一つの情報を保持しながら次の記号を追いかけなければいけないので、作業記憶が求められます。
Western Aphasia Battery
- 失語症の検査です。
- WABと略記します。
- 自発話、話し言葉の理解、復唱、呼称、読み、書字、行為、構成の8つの主項目があり、失語症の程度を点数化します。
- ウェルニッケ失語やブローカ失語、全失語などを判別できる唯一の検査です。
Frontal Assessment Battery
- 前頭葉機能を評価する検査です。
- FABと略記します
- 言葉の概念化、言語流暢性、運動プログラミング、干渉への感受性、抑制性制御、理解行動の6つの項目からなります。
- 18点が満点です。12点以下の場合は前頭葉機能の低下が疑われます。
- MMSEやHDR-Rと併用されます。
- 6つの課題をこなすだけなので短時間で施行が可能です。その割に精度が高く、MMSEで引っかからない軽度認知障害の方の前頭葉機能障害をピップアップできます。
MoCA-J
- 軽度認知障害(MCI)をスクリーニングする検査です。
- 所要時間は10分です。
- 評価項目は、視空間・遂行機能、命名、記憶、注意力、復唱、語想起、抽象概念、遅延再生、見当識になります。
- 30点満点で、25点以下の場合はMCIが疑われます。