概要

一般名ボルチオキセチン
剤形10mg錠、20mg錠
メーカー武田薬品工業
薬価161.7円/10mg錠
発売日2019年11月27日
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トリンテリックスの概要

効能効果

  • うつ病、うつ状態

用法用量

  • 通常、成人にはボルチオキセチンとして10mgを1日1回経口投与します
  • 患者の状態により1日20mgを超えない範囲で適宜増減するが、増量は1週間以上の間隔をあけて行います。

解説

  • トリンテリックスはセロトニン再取り込み阻害作用とセロトニン受容体調節作用を合わせ持ち、セロトニンだけでなく、ノルエピネフリン、ドパミン、アセチルコリン、ヒスタミンの遊離を調節するとされています。
  • 2013年9月、うつ病の治療薬として米国食品医薬品局(FDA)から承認されました。
  • 2022年現在、日本で使用できる最新の抗うつ薬です。ちなみに、これまでの抗うつ薬と発売日は以下のようになります。
系統商品名一般名発売年
三環系トフラニールイミプラミン1959
トリプタノールアミトリプチリン1961
ノリトレンノルトリプチリン1971
アナフラニールクロミプラミン1973
アモキサンアモキサピン1980
四環系ルジオミールマプロチリン1981
テトラミドミアンセリン1983
SSRIデプロメールフルボキサミン1999
パキシルパロキセチン2000
SNRIトレドミンミルナシプラン2000
SSRIジェイゾロフトセルトラリン2006
NaSSAリフレックスミルタザピン2009
SNRIサインバルタデュロキセチン2010
SSRIレクサプロエスシタロプラム2011
SNRIイフェクサーベンラファキシン2015
S-RIMトリンテリックスボルチオキセチン2019
抗うつ薬の発売年
  • 16種類程度の抗うつ薬が日本で発売されています。上記表には、実質的に抗うつ効果の乏しいレスリンや、レメロン(リフレックス)、ルボックス(デプロメール)といった同成分名の薬剤は片方しか記載していません。
  • 現在のうつ病治療で用いられている薬剤は、1999年以降に発売されたSSRI、SNRI、NaSSAになります。その中でもさらに、有効性や副作用の面が考慮された結果、2006年以降の薬剤が中心に使用されています。
  • トリンテリックスは、SSRIと同様にセロトニン再取り込み阻害作用により、脳内のセロトニンという物質の濃度を上げます。このSSRI様作用に加えて、セロトニン受容体調節作用によってノルアドレナリン・ドパミン・アセチルコリン・ヒスタミンの遊離を促進します。
  • 上記作用により、従来の抗うつ薬と比較すると認知機能の改善、つまり、思考制止と言われている頭の回りづらさを改善させる効果が強くなっています。
  • 効果発現は、従来の抗うつ薬と同様に2週間程度が目安となります。
  • 副作用は、SSRIと吐き気などの消化器症状が中心になります。稀に、眠気、眠りづらいといった副作用も出ます。